FileMakerでの自作の事件管理データベースの改善のお知らせです。
複数人が同一事件について同時に業務メモを編集できるようになりました。利用者の立場では,その結果だけ知っておいてもらえばいいのですが,一応どういうことか備忘もかねて書いておきます。
Excelが基本的にファイル単位で編集の競合が問題になるのに対して,FileMakerの場合は,ファイルの中の個々のレコード単位で編集の競合が問題になります。
具体的な例で言えば,Excelの場合は,1人がファイルを開いていると,他の人はそのファイル全体にわたって読み取り専用でしか開けない,ということが起こるということです(特別な設定をしない限り)。
一方FileMakerの場合は,ファイル全体が開けないということではなくて,ファイルの中に存在するレコード(Excelでいうところの一つのセルみたいなもの)のレベルで,編集の競合が起こるということです。
以上の性質からすれば,FileMakerにおいては本来編集が競合することは少ないはずです。
しかし,これまではデータベースの設計の不十分さから,同一の依頼者の同一の事件について同時に業務メモを編集しようとすると,「編集中です」というようなエラーメッセージが出て,編集できないという状態になっていました。
「同一依頼者の同一事件であっても,業務メモのレコードとしては別のものをつくろうとしているのだから,本来同時に編集できるはずなのにおかしいな」とずっと思っていたところ,ようやく上記エラーメッセージを回避することができるようになりました。
業務メモの通常の利用は今までどおりなのですが,仮に上記のような他の人が編集中というエラーメッセージが出た場合は,下の画像の矢印で示してある,業務メモ作成画面の中の「別ウィンドウで開く」ボタンまたは「別ウィンドウで同時編集」ボタンを押します(ボタンの役割は実はどちらも同じです)。
そうすると,当該事件の業務メモが別ウィンドウとして開きます。
上部左に「新しいメモ追加」というボタンがあるので,それを押して,業務メモに新しいレコードを作成すると,メモを入力することが出来ます。
これにより,他の人の編集が終わるまで入力を待たなければならないということがなくなりました。