2013年9月16日月曜日

共同利用を前提とした設計変更と金銭出納帳の改良

自作のファイルメーカーデータベースは,
今までは単独利用を前提とした設計でした。

この度,事務所内での利用者が増えるということと,
せっかくデータベースソフトを利用するのだから
利益相反チェックも出来るようにしたいという要望を受けて,
複数人の弁護士が一つのデータベースを利用する形態を
前提とした設計に変更しました。

そうはいってもなるべく使う上での面倒はふやしたくない,
ということで,起動時に利用する弁護士名を選択するようにして,
以後は基本的に単独で利用しているときと
操作上は変わらないようにしました。













起動すると上の画面が表示されるようになったのが変更点です。
弁護士を最初に選択するという一手間は増えましたが,
その後は選択した担当弁護士で自動的に絞込が行われるので,
一人で使っている時と使用感はほぼ変わりません。

担当弁護士を変更する小窓は事件一覧などの画面上にも
表示されているので,起動後に変更したくなった時も
名前の横の▼をクリックして違う名前を選択すれば,
違う弁護士で絞り込みが再度されます。


その他の変更点としては,
リクエストにより,金銭出納帳の表示形式等を変更しました。
具体的には,入出金の差を入出金のある都度表示する形式にしました。


























金銭出納帳関係でもう一つ。
後見事件等だと複数回にわたって
出納帳の収支を報告する必要があります。
従来のような今日現在の収支しかわからない形式しかないと,
前回の報告がどこまでで,今回はここからですよということを
別途書きこむなどする必要がありました。
そこで,後見事務経過一覧表を作成する際の期間に絞って
金銭出納帳を出力できるようにしました。
後見のタブの,事務経過一覧表を作成する画面に
新たに「対応する期間の金銭出納帳」というボタンができています。
これを押すと,事務経過一覧表を作成するために設定した
始期と終期の間に含まれる金銭出納帳の入出金だけが表として表示されます。
後見の報告の際に別途期間を考慮する必要なく,当該報告に関係する入出金だけが表となって現れるので,それを印刷すればいいということになります。














その他「今後の改良をしやすくするための改良」といった,
表面に現れない改良もされています。
例えば,Word形式で出力できる書面の追加が
しやすくなりました。
その関係で,仮差押命令申立書と陳述催告申立書も
作成できる書面のラインナップに加わっています。






2013年8月31日土曜日

細かな改善

 自作のファイルメーカー事件管理データベースで,
細かな改善を幾つか。

1.印鑑画像の登録欄の作成

 ファクシミリ送信書などの印鑑について,印鑑の画像さえ用意してもらえれば,それを書面に反映できるようになりました。
(ファイルメーカー上で直接文書を表示するものについてのみ。Wordで出力する方はまだです。→後日Wordの方も出来るようになりました。)

 利用者登録の画面の一番最後に,印鑑という欄を新設。
 ここに印鑑の画像をドラッグアンドドロップします。







 
 これで当該弁護士用に印鑑が登録されます。
 あとは事件ごとに担当弁護士を選択できるので,その選択された担当弁護士の印鑑が書面に反映されます。


2.訴状,答弁書の住所欄で,政令指定都市の場合都道府県を省略

 ファイルメーカーからWordで訴状,答弁書を出力する際に,
慣例に従って,政令指定都市の場合最初から都道府県を省略して
住所を表示します。
 (政令指定都市といっても,当面神奈川,千葉,埼玉のものだけですが。)


3.担当弁護士,担当事務員等のデフォルトの表示を環境に応じて変わるように設定した

 今まではデフォルトのデータ(最初から入力されるデータ)が,私と私の事務員が前提となっていました。
 利用者登録のところには,「橋本」なんて入っていないのに,担当弁護士に「橋本」とまず入力されるなんてことが起こっていたわけです。
 それを毎度毎度修正するのは手間ですから,最初からちゃんと利用者登録に入力されたデータから入力されるように変更しました。

 
 ちなみに今後の予定ですが,現在やりたいのは,破産の必要書類一覧をファイルメーカー上で管理して,依頼者ごとの進捗を事件一覧の画面でひと目で把握できるようにするということです。

利益相反チェック機能

 ファイルメーカーで自作している事件管理データベースの眼目は,
まずは事務処理軽減というところにあります。

 しかし,この度,要望を受けて利益相反チェックのための機能も持たせるべく,
その方向で一歩前進しました。

 普段のメインとなる「事件一覧」の画面の上部に,
「利益相反チェック」というボタンが新たに設置されています。



 それを押すと,人物名で検索ができる画面に移動します。







 

 終了した事件を含めた,依頼者,相手方,債権者を対象として
検索が出来るようになっています。
 上部の検索ボックスの「姓」の欄と「名」の欄にを両方キーワードを入れると,AND検索になって,全ての条件が完全に合致するものが表示されます。
 「姓」の欄にだけ入れると,そこに入れた言葉が依頼者,相手方,債権者の姓とか名とかどこかに該当すると表示されます。

 ちなみに複数相手方と複数依頼者については,画面上は一人分しか表示されていないですが,実際には二人以上いることもあるわけで,その場合にも検索には引っかかります。
 検索に引っかかるとその文字が赤く表示されるようになってますが,どこも赤くなっていないのに検索に引っかかっている場合には,その表示されていない部分で検索に引っかかっているということになります。

 表記のゆれのせい(あるいは入力間違いなど)で検索にひっかからないおそれがあることを考えると,姓と名と両方入れてみて該当がない場合も,万全を期すなら一応姓だけで検索したりするのがいいかもしれません。

2013年8月25日日曜日

折返しが必要な電話メモのみ目立つように表示

自作のファイルメーカーデータベースについて,
業務メモ機能の若干の修正。

今まで業務メモ中の電話メモには,
「受信」or「発信」の区別しかありませんでした。
そこに新たに「要折返し」という分類を作成。

使い方としては,
相手方から弁護士の不在中に連絡があって
折返しを求められた場合などには,
「要折返し」にチェックを入れておきます。

そうすると業務メモの本文部分が目立つように
赤く表示されるようになります。

そして,それだけではなくて,
業務メモ一覧画面に
「要折返しのみ表示」というボタンを追加しました。
これを押すと,「要折返し」のところにチェックが入っている
メモのみが画面に表示されます。



要折返しの電話がない場合には,その旨のメッセージが
表示されて,自動的に全部が表示される状態に戻ります。

2013年7月28日日曜日

ファイルメーカーによる破産申立書作成のフロー。

 FileMakerによる自作の事件管理データベースから
Excelファイルを出力できるようになったことによって、
破産申立書作成のフローは以下のようになりました。

 まず受任時に依頼者の情報のほかに
債権者の情報を入力する必要がありますが、
よく使う債権者についてはリストに登録しておけるため、
リストから呼び出すだけで入力が終わります。




 上記のリストの中の「今回使う」ボタンを押すと,
ファイルメーカーの「債務整理状況表」タブにその債権者の名前が
入り,住所等もセットされた状態になります。



















 そのセットされた名前、郵便番号、住所等を使って、
受任通知を郵送することができます。
 受任通知の文面自体は,「破産受任通知(金融機関用)」等の
ボタンから印刷できます。
 郵送の際の封筒のラベルも「債権者ラベル印刷」ボタンで
ラベル印刷用の表が表示されるので,一気に印刷。



















 履歴が開示されて、計算が終わったらその金額をファイルメーカーに入力。
 破産申立書の債権者一覧表に必要な情報として、
借入開始日、最終借入日、最終返済日も債務整理状況表の右側の欄に入力。
 (この時点で、借入開始日の古いものが上になるように
自動的に並び替えがされます。)
 なお、過払いが生じていた場合の請求FAXや支払いの和解書も
ボタン一発で印刷。
















 

(上の画面では,一つの債権者だけ借入開始日,最終借入日及び最終返済日が入力された状態となっています。)
 すべての債権者についての情報が確定した段階で、
「破産申立書作成」ボタンを押します。
そうすると、スクリプト(ファイルメーカーで使える簡単なプログラムのようなもの)が動作して,
破産を申し立てる方の名前、ふりがな、生年月日、住所等の
情報及び債権者の住所,債権額等の情報が入力された状態の
エクセルファイルがデスクトップに作成され,自動的に開かれます。
(なお,厳密に言うと通常のエクセルファイルとはファイル形式が異なるので,
念のため「名前をつけて保存」を行なって,ファイルの形式を「.xls」ないし「.xlsx」に変更しておくことをおすすめします。)






















 上記のエクセルファイルには,債権者一覧表も入力済みです。
(厳密に言えば,直接は「債権者一覧表ラベル用」というシートに入力されて,
それが関数によって債権者一覧表に表示されるということになります。)







 その他の項目については,基本的に従来使用していた
エクセルファイルそのままですから,
その先は従来通り進めていくことができます。

 なお,申立ての際のラベル印刷も入力済みのエクセルファイルから
行うことができますから,大手の業者に対してしか
債務のない人の場合であれば,受任から申立てまで,
一度も住所の入力をする必要がない,
ということになります。

 機械に任せられるところは機械に任せた方が,
正確で,かつ,時間と労力を省くことができます。
 そのような,「機械に任せられるところ」がまた一歩広がりました。

 この先の構想としては,文書の作成だけではなくて,
いつ何をすべきかということについてもある程度機械が
教えてくれるような状態を実現したいと思っています。
 具体的には,いくつかのフローチャートに答えると
必要書類がリストアップされ,その書類を取得したら取得日を入力する。
 そうするとその書類の有効期限等が自動的に入力されて,
各書類の有効期限が切れそうになると,
事前にファイルメーカーが教えてくれる,というような状態を
実現したいと思っております。




2013年7月15日月曜日

ファイルメーカーによる訴状等作成支援機能

 事件管理データベースに情報が溜まってくると,
同じ情報を二度入力したり,コピペしたりということが
とても手間に感じられてきます。

 そうなってくると,書面作成についてもなんとか
ファイルメーカーでできないかという欲が出てきます。

 ファイルメーカー上でもA4で1枚程度の簡単な文書については,
作成して印刷できるようにはしていましたが,
インデントの微調整や,複数ページに渡った場合のページ番号の問題など諸々の問題があって,長文の作成にはやはり限界がありました。

 なんとかWordにデータを渡して連携を図るしかない,
と思っていたのですが,この度,試行錯誤が実を結び,
直接Wordファイルとして書面のデータを出力できるようになりました。


 詳細は以下のとおりです。

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 まず訴状作成画面の左下にある「訴状ひな形呼び出し」ボタンを
押すと,典型的な訴状の骨子を呼び出す画面が出てきます。


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 使いたいひな形の請求の趣旨,請求の原因それぞれについて,
「訴状に貼り付け」というボタンを押すと,
訴状作成画面の請求の趣旨,請求の原因欄に
データが貼り付けられます。

 この訴状のひな形データは使えそうなものが新たに生じる都度,
追加していくこともできます。
 また訴状の類型ごとに絞り込んで表示することもできます。
 このようなひな形を利用することで要件事実の漏れや勘違い
などの初歩的なミスを防ぐことが期待出来ます。

 元の訴状作成画面の右上には,訴額を入力する欄があります。
 訴額を入力すると,700万円までは印紙代が自動的に入力されます。





 ある程度必要な情報が入力できたら,
「訴状レイアウト」というボタンを押します。



 そうすると
「作成日付(例えば今日なら「20130715」)+依頼者名+訴状.doc」という名前でデスクトップにファイルが作成され,自動的に開きます。
 作成されたWordファイルは,住所,氏名,管轄裁判所等,
データベースに入力済みのデータは自動的に転記されている
状態となっています。
 相手方が個人か法人かに応じて,自動的に入力される情報は変化するようになっています。

 ひな形から入力した請求の趣旨,請求の原因等ももちろん入力された状態となっています。
 もっとも,請求原因のインデント等については,整える必要がありますから,そこから先はWordの方で細かい調整をしていきます。

 以上の通り,Wordファイルとして出力できるようになったことで,
より意図したとおりの文書作成に近づきました。
 とりあえず現時点で出来ているのは,訴状作成機能と送付書兼受領書作成機能だけですが,他の書面でも原理は同じなので,準備書面や各種申立書等も時間の問題です。

 (2014年12月7日追記。その後ファイル名の変更により,上記のひな形からの請求の趣旨及び請求の原因のコピーが機能しなくなっていました。現在再度修正して使えるようになっています。)

2013年6月29日土曜日

成年後見人関係書類の作成補助

成年後見人等の業務を行っていると,
定期的に家庭裁判所に報告をすることになります。
この際提出する書面には,
後見事務経過一覧表,後見事務報告書など
というものがあります。


このように定期的に作成するもので,
ある程度定型化可能なものというのは,
まさにデータベースが役に立つ場面です。

後見事務経過一覧表というのは,
この間後見人等としてどんなことをやってきたかを
細かく報告する書面です。
これは個々の出来事を記載していくものなので,
報告の時に遡って作成するということになると大変です。
一方で,その都度作成していくにしても,
日常的な覚書と別に経過報告書に別途記載するというのも
手間が多い。

そういうわけで,自作の事件管理データベースでは,
普段の業務メモを記載する中で後見事務経過報告書の記載事項も
作れるようにということを目標としています。

その目標を実現するために,
業務メモの種類の欄に新たに「後見」というものを作りました。






業務メモの種類で,「後見」と選択されているものについては,
後で後見事務経過一覧表を作成する際に
まとめて呼び出すことが出来るようになっています。


事件詳細の後見関係のタブで,
「事務経過一覧表」のところで作成日を選択入力して,
「作成」のボタンを押します。

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そうすると事務経過一覧表作成画面に移動します。
その画面で,報告書の始期と終期を選択入力し
(始期を入力すると,自動的に
終期の欄にはその1年後の日付が入力されるので,
必要であれば変更します。),
「業務メモから抽出」というボタンを押すと,
業務メモで「後見」と選択されているもののうち,
当該後見事務経過一覧表の報告期間に含まれるメモだけが
後見事務経過報告書の画面に表示されます。
(レコード的には同じものを表示。)

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「印刷レイアウト確認」ボタンで
実際の印刷画面がどのようになるかを確認すると,
こんな感じ。

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後見事務報告書作成画面はこんな感じ↓
デフォルトで「変化がない」旨の報告事項が入力されているので,
変化があった項目についてはその旨を入力します。

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同じく印刷画面を確認して,印刷

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報酬付与の申立書等も同様に作成します。

ちなみに,報酬付与申立書作成の画面には
「翌年の申立をやるべきことにセット」というボタンがあって,
一年後の日付でまた報告書を作成することが
「やるべきこと」にセットされるようになっています。

(印刷画面の例は,今回用にサンプルとして作っています。)