2020年1月3日金曜日

弁護士の事件管理について

 一般民事を取り扱う弁護士は,通常多数の事件を同時並行で進めています。
 これを頭の中だけで行うのは大変なので,多くの弁護士は,それぞれのやり方で事件を管理しています(それでも,たまに頭の中だけで管理しているという人がいてビックリします。)。

 私の場合,いくつかのやり方を経ているので,以下ご紹介します。

 12年くらい前に弁護士になりたての頃は,入った事務所の事務員さんが使っていたExcelファイルを使って何となく管理をしていました。
 事件類型ごとにそのようなExcelファイルがあって,一つのファイルの中には,依頼者ごとにタブ(ワークシート)があって,各ワークシートの中で,依頼者や相手方,関係者とのやり取りをメモしていくというやり方でした。

 このやり方でも,何も記録していないよりはもちろん便利なのですが,不便を感じたのは,基本的には一人が当該ファイルを編集していると,他の人がそのファイルを開けないことでした(一応設定すれば共同編集も可能ですが完全に自由に編集できるわけではなかったと思います。)。
 また検索もやりづらく,データが増えてくると動作も重くなってくるという問題もあって,もっといい方法がないかなと思っていました。

 そこで,まず始めたのがファイルメーカーというデータベースソフトを使って,事件管理の仕組みを作るということでした(弁護士とデータベースソフト)。
 Excelのような表計算ソフトとは違って,データベースソフトは,もともと大量のデータを溜め込んで扱うことを目的としているので,動作も安定しており,複数人が同時に利用することも問題なく処理してくれることで重宝していました。

 このやり方の難点の一つは,導入にあたって利用する人が全員ファイルメーカーというソフトを購入しなければならないということでした。
 まだ使ってもいないうちに初期投資をしなければならないという点でハードルが高いですし,使う人が増えるたびにその投資をしなければならないというのもなかなか厳しいものがありました。

 そこで,その後開発したのが,Google Chromeなどのブラウザからアクセスすれば利用できるwebアプリケーションの形での事件管理システムでした。
 この方式であれば,利用する人がわざわざ一人ひとりソフトを購入してインストールするという必要がありません。

 現在は,上記のものを発展させてLegalWinというクラウド型の事件管理システムを開発し,提供しています(LegalWin導入前後の比較はこちら)。
 特別な知識や技術が不要で,お手軽に事務所の事件管理を任せられるシステムとして,少しでも弁護士業務の効率化に役立てばと思っています。