2014年6月7日土曜日

業務メモの同時編集

 FileMakerでの自作の事件管理データベースの改善のお知らせです。

 複数人が同一事件について同時に業務メモを編集できるようになりました。利用者の立場では,その結果だけ知っておいてもらえばいいのですが,一応どういうことか備忘もかねて書いておきます。

 Excelが基本的にファイル単位で編集の競合が問題になるのに対して,FileMakerの場合は,ファイルの中の個々のレコード単位で編集の競合が問題になります。
 具体的な例で言えば,Excelの場合は,1人がファイルを開いていると,他の人はそのファイル全体にわたって読み取り専用でしか開けない,ということが起こるということです(特別な設定をしない限り)。
 一方FileMakerの場合は,ファイル全体が開けないということではなくて,ファイルの中に存在するレコード(Excelでいうところの一つのセルみたいなもの)のレベルで,編集の競合が起こるということです。

 以上の性質からすれば,FileMakerにおいては本来編集が競合することは少ないはずです。
 しかし,これまではデータベースの設計の不十分さから,同一の依頼者の同一の事件について同時に業務メモを編集しようとすると,「編集中です」というようなエラーメッセージが出て,編集できないという状態になっていました。

 「同一依頼者の同一事件であっても,業務メモのレコードとしては別のものをつくろうとしているのだから,本来同時に編集できるはずなのにおかしいな」とずっと思っていたところ,ようやく上記エラーメッセージを回避することができるようになりました。

 業務メモの通常の利用は今までどおりなのですが,仮に上記のような他の人が編集中というエラーメッセージが出た場合は,下の画像の矢印で示してある,業務メモ作成画面の中の「別ウィンドウで開く」ボタンまたは「別ウィンドウで同時編集」ボタンを押します(ボタンの役割は実はどちらも同じです)。


 そうすると,当該事件の業務メモが別ウィンドウとして開きます。


 上部左に「新しいメモ追加」というボタンがあるので,それを押して,業務メモに新しいレコードを作成すると,メモを入力することが出来ます。
 これにより,他の人の編集が終わるまで入力を待たなければならないということがなくなりました。


2014年6月2日月曜日

債権者リストの使い方

 自作の事件管理データベースで,債務整理状況表について,レイアウト上での説明が若干わかりづらいと思われるので,改めてどのようになっているか示します。



 「債務整理状況表」のタブをクリックすると,債権者名を入力する欄の左右に,「リスト選択」というボタンと「手動入力」というボタンがあります。



 「手動入力」というボタンを押してみるとどうなるか。
 「債権者名」だけではなくて,「郵便番号」,「都道府県名」などを入力する欄が表示されます。
 画面の表示スペースの関係で,初期状態では債権者名を入力する欄だけが表示されていますが,実は債権者について入力できる情報は,債権者名だけではないのです。
 「債務整理状況表」タブの中の,「債権者ラベル印刷」ボタンなどで使う住所等は,ここで入力した情報が使われるようになっています。

 では,「リスト選択」ボタンとは何か?



 「リスト選択」ボタンを押すと,「よく使う債権者リスト」ウィンドウが表示されます。


 ウィンドウの左端にある「今回使う」ボタンを押すと,当該債権者の住所等の情報が,自動的に先ほどの「手動入力」ボタンを押すと表示される画面の住所等の欄に転記されます。
 これにより,よく使う債権者リストにある債権者については,手動で住所等の入力をしなくてもいい,ということになります。

 ちなみになぜこのような構造になっているかというと,明らかに今後二度と出会うことはないだろう債権者も多くいる中,毎度毎度債権者リストに追加していくという形だと,リストが増えすぎて選択がだんだん困難になってしまうからです。

 そういうわけで,
①今後また使いそうな債権者については,1回目は債権者リストに登録して,2回目からは登録した債権者リストから,(上部の検索窓で検索するなどして,)「今回使う」ボタンによって情報を入力する。

②今後使うことは想定されず,今回だけ情報が使えればいい債権者については,直接「債務整理状況表」タブの「手動入力」ボタンを押して情報を入力する。
 という使い分けをすることになります。