この度,合同会社LegalWinとして,成年後見事件向け通帳OCR機能を備えた、弁護士用事件管理ツール『LegalWin』のベータ版をリリースした旨のプレスリリースを行いました。
参照リンク:【リーガルテック】成年後見事件向け通帳OCR機能を備えた、弁護士用事件管理ツール『LegalWin』のベータ版をリリース
世界が技術的にどんどん進歩していく中で,弁護士も,周りの進歩についていかなければ置いていかれてしまいます。
従来のやり方で特に何の問題も感じなくても,「もっといいやり方」が新たに生まれている可能性は常にあります。
「LegalWin」もまた,そのような「もっといいやり方」の一つとしてご提案させていただいています。
弁護士を取り巻く環境も変化し,競争も激しくなっていますが,だからといって安かろう悪かろうというような形の過度な価格競争になってしまっては,誰も幸せになれません。
このような状況での一つの解となり得るのは,業務フローを丁寧に見直し,無駄を省いていくということだと思います。その際,新たな技術の導入というのも,効率化によって無駄を省くという点で効果的だと思われます。
少なくとも,私自身,1人の弁護士として,常に業務の効率化を図りたいと思っており,自らの必要性に基づいて開発したものですので,一度試してみていただければ幸いです。
2020年2月8日土曜日
2020年1月8日水曜日
通帳のOCRについて
弁護士が取り扱う業務の類型の中に,成年後見事件というものがあります。
これは,ざっくりといえば,判断能力が低下してしまった方のために,身上監護や契約などの法的事務や財産管理等を行うというものです。
他の人の財産を管理することになる関係上,財産管理は当然適正に行うことが求められ,またその管理が適正であることが説明できる状態を維持することが期待されます。
そういうわけで,成年後見人に選任された弁護士は,なるべく現金でのお金の移動のような,お金の動きが見えづらい取引は避け,極力預金通帳にお金の動きが記載されるようにするのが一般です。
このようにすれば,定期的に行う裁判所への報告の際も,通帳上に記載されているお金の動きについて説明すればいいということになります。
この「通帳に記載されているお金の動きの説明」ですが,厳密に行うのはそれなりに大変です。
ネットバンキングが使えれば,集計などの作業も容易に行えるのですが,一般に成年後見人が就いている状態では,銀行はネットバンキングの利用を認めてくれません。
紙の通帳に記載された取引を集計してExcelに移し替える作業を行ったりするのですが,もう少しこのような事務処理の負担を軽減することはできないものかと常々思っていました。
そこで,開発したのが,通帳にOCR処理を施して,データとして扱える状態にするというシステムです。
LegalWinという事件管理を行うシステムの一機能として開発しています(機能の詳細は機能紹介ページを参照)。
今やOCRといえば,「AI OCR」という言葉も聞かれるくらいで,一昔前よりも格段に精度が上がっています。
上記のOCR機能も,ディープラーニング技術を用いたもので,特に日付や金額といった数字の認識については,かなりの精度となっています。
通帳のOCRで困難なのは,各銀行の通帳ごとに体裁が微妙に異なるということなのですが,その点については,各銀行ごとに処理を変えることで対応しています。
このような通帳のOCR技術は,ネットバンキングが広くできるようになるまでの過渡的な技術ではあります。
もっともLegalWinでは,成年後見事件における取引の分類を学習して,一度設定した取引の分類が半自動的に入力されるようになっているので,OCRの必要の有無に関わらず,使っていくほどに入力作業が楽になっていきます。
これは,ざっくりといえば,判断能力が低下してしまった方のために,身上監護や契約などの法的事務や財産管理等を行うというものです。
他の人の財産を管理することになる関係上,財産管理は当然適正に行うことが求められ,またその管理が適正であることが説明できる状態を維持することが期待されます。
そういうわけで,成年後見人に選任された弁護士は,なるべく現金でのお金の移動のような,お金の動きが見えづらい取引は避け,極力預金通帳にお金の動きが記載されるようにするのが一般です。
このようにすれば,定期的に行う裁判所への報告の際も,通帳上に記載されているお金の動きについて説明すればいいということになります。
この「通帳に記載されているお金の動きの説明」ですが,厳密に行うのはそれなりに大変です。
ネットバンキングが使えれば,集計などの作業も容易に行えるのですが,一般に成年後見人が就いている状態では,銀行はネットバンキングの利用を認めてくれません。
紙の通帳に記載された取引を集計してExcelに移し替える作業を行ったりするのですが,もう少しこのような事務処理の負担を軽減することはできないものかと常々思っていました。
そこで,開発したのが,通帳にOCR処理を施して,データとして扱える状態にするというシステムです。
LegalWinという事件管理を行うシステムの一機能として開発しています(機能の詳細は機能紹介ページを参照)。
今やOCRといえば,「AI OCR」という言葉も聞かれるくらいで,一昔前よりも格段に精度が上がっています。
上記のOCR機能も,ディープラーニング技術を用いたもので,特に日付や金額といった数字の認識については,かなりの精度となっています。
通帳のOCRで困難なのは,各銀行の通帳ごとに体裁が微妙に異なるということなのですが,その点については,各銀行ごとに処理を変えることで対応しています。
このような通帳のOCR技術は,ネットバンキングが広くできるようになるまでの過渡的な技術ではあります。
もっともLegalWinでは,成年後見事件における取引の分類を学習して,一度設定した取引の分類が半自動的に入力されるようになっているので,OCRの必要の有無に関わらず,使っていくほどに入力作業が楽になっていきます。
2020年1月3日金曜日
弁護士の事件管理について
一般民事を取り扱う弁護士は,通常多数の事件を同時並行で進めています。
これを頭の中だけで行うのは大変なので,多くの弁護士は,それぞれのやり方で事件を管理しています(それでも,たまに頭の中だけで管理しているという人がいてビックリします。)。
私の場合,いくつかのやり方を経ているので,以下ご紹介します。
12年くらい前に弁護士になりたての頃は,入った事務所の事務員さんが使っていたExcelファイルを使って何となく管理をしていました。
事件類型ごとにそのようなExcelファイルがあって,一つのファイルの中には,依頼者ごとにタブ(ワークシート)があって,各ワークシートの中で,依頼者や相手方,関係者とのやり取りをメモしていくというやり方でした。
このやり方でも,何も記録していないよりはもちろん便利なのですが,不便を感じたのは,基本的には一人が当該ファイルを編集していると,他の人がそのファイルを開けないことでした(一応設定すれば共同編集も可能ですが完全に自由に編集できるわけではなかったと思います。)。
また検索もやりづらく,データが増えてくると動作も重くなってくるという問題もあって,もっといい方法がないかなと思っていました。
そこで,まず始めたのがファイルメーカーというデータベースソフトを使って,事件管理の仕組みを作るということでした(弁護士とデータベースソフト)。
Excelのような表計算ソフトとは違って,データベースソフトは,もともと大量のデータを溜め込んで扱うことを目的としているので,動作も安定しており,複数人が同時に利用することも問題なく処理してくれることで重宝していました。
このやり方の難点の一つは,導入にあたって利用する人が全員ファイルメーカーというソフトを購入しなければならないということでした。
まだ使ってもいないうちに初期投資をしなければならないという点でハードルが高いですし,使う人が増えるたびにその投資をしなければならないというのもなかなか厳しいものがありました。
そこで,その後開発したのが,Google Chromeなどのブラウザからアクセスすれば利用できるwebアプリケーションの形での事件管理システムでした。
この方式であれば,利用する人がわざわざ一人ひとりソフトを購入してインストールするという必要がありません。
現在は,上記のものを発展させてLegalWinというクラウド型の事件管理システムを開発し,提供しています(LegalWin導入前後の比較はこちら)。
特別な知識や技術が不要で,お手軽に事務所の事件管理を任せられるシステムとして,少しでも弁護士業務の効率化に役立てばと思っています。
これを頭の中だけで行うのは大変なので,多くの弁護士は,それぞれのやり方で事件を管理しています(それでも,たまに頭の中だけで管理しているという人がいてビックリします。)。
私の場合,いくつかのやり方を経ているので,以下ご紹介します。
12年くらい前に弁護士になりたての頃は,入った事務所の事務員さんが使っていたExcelファイルを使って何となく管理をしていました。
事件類型ごとにそのようなExcelファイルがあって,一つのファイルの中には,依頼者ごとにタブ(ワークシート)があって,各ワークシートの中で,依頼者や相手方,関係者とのやり取りをメモしていくというやり方でした。
このやり方でも,何も記録していないよりはもちろん便利なのですが,不便を感じたのは,基本的には一人が当該ファイルを編集していると,他の人がそのファイルを開けないことでした(一応設定すれば共同編集も可能ですが完全に自由に編集できるわけではなかったと思います。)。
また検索もやりづらく,データが増えてくると動作も重くなってくるという問題もあって,もっといい方法がないかなと思っていました。
そこで,まず始めたのがファイルメーカーというデータベースソフトを使って,事件管理の仕組みを作るということでした(弁護士とデータベースソフト)。
Excelのような表計算ソフトとは違って,データベースソフトは,もともと大量のデータを溜め込んで扱うことを目的としているので,動作も安定しており,複数人が同時に利用することも問題なく処理してくれることで重宝していました。
このやり方の難点の一つは,導入にあたって利用する人が全員ファイルメーカーというソフトを購入しなければならないということでした。
まだ使ってもいないうちに初期投資をしなければならないという点でハードルが高いですし,使う人が増えるたびにその投資をしなければならないというのもなかなか厳しいものがありました。
そこで,その後開発したのが,Google Chromeなどのブラウザからアクセスすれば利用できるwebアプリケーションの形での事件管理システムでした。
この方式であれば,利用する人がわざわざ一人ひとりソフトを購入してインストールするという必要がありません。
現在は,上記のものを発展させてLegalWinというクラウド型の事件管理システムを開発し,提供しています(LegalWin導入前後の比較はこちら)。
特別な知識や技術が不要で,お手軽に事務所の事件管理を任せられるシステムとして,少しでも弁護士業務の効率化に役立てばと思っています。
2013年7月15日月曜日
ファイルメーカーによる訴状等作成支援機能
事件管理データベースに情報が溜まってくると,
同じ情報を二度入力したり,コピペしたりということが
とても手間に感じられてきます。
そうなってくると,書面作成についてもなんとか
ファイルメーカーでできないかという欲が出てきます。
ファイルメーカー上でもA4で1枚程度の簡単な文書については,
作成して印刷できるようにはしていましたが,
インデントの微調整や,複数ページに渡った場合のページ番号の問題など諸々の問題があって,長文の作成にはやはり限界がありました。
なんとかWordにデータを渡して連携を図るしかない,
と思っていたのですが,この度,試行錯誤が実を結び,
直接Wordファイルとして書面のデータを出力できるようになりました。
詳細は以下のとおりです。
使いたいひな形の請求の趣旨,請求の原因それぞれについて,
「訴状に貼り付け」というボタンを押すと,
訴状作成画面の請求の趣旨,請求の原因欄に
データが貼り付けられます。
この訴状のひな形データは使えそうなものが新たに生じる都度,
追加していくこともできます。
また訴状の類型ごとに絞り込んで表示することもできます。
このようなひな形を利用することで要件事実の漏れや勘違い
などの初歩的なミスを防ぐことが期待出来ます。
元の訴状作成画面の右上には,訴額を入力する欄があります。
訴額を入力すると,700万円までは印紙代が自動的に入力されます。
ある程度必要な情報が入力できたら,
「訴状レイアウト」というボタンを押します。
そうすると
「作成日付(例えば今日なら「20130715」)+依頼者名+訴状.doc」という名前でデスクトップにファイルが作成され,自動的に開きます。
作成されたWordファイルは,住所,氏名,管轄裁判所等,
データベースに入力済みのデータは自動的に転記されている
状態となっています。
相手方が個人か法人かに応じて,自動的に入力される情報は変化するようになっています。
ひな形から入力した請求の趣旨,請求の原因等ももちろん入力された状態となっています。
もっとも,請求原因のインデント等については,整える必要がありますから,そこから先はWordの方で細かい調整をしていきます。
以上の通り,Wordファイルとして出力できるようになったことで,
より意図したとおりの文書作成に近づきました。
とりあえず現時点で出来ているのは,訴状作成機能と送付書兼受領書作成機能だけですが,他の書面でも原理は同じなので,準備書面や各種申立書等も時間の問題です。
(2014年12月7日追記。その後ファイル名の変更により,上記のひな形からの請求の趣旨及び請求の原因のコピーが機能しなくなっていました。現在再度修正して使えるようになっています。)
同じ情報を二度入力したり,コピペしたりということが
とても手間に感じられてきます。
そうなってくると,書面作成についてもなんとか
ファイルメーカーでできないかという欲が出てきます。
ファイルメーカー上でもA4で1枚程度の簡単な文書については,
作成して印刷できるようにはしていましたが,
インデントの微調整や,複数ページに渡った場合のページ番号の問題など諸々の問題があって,長文の作成にはやはり限界がありました。
なんとかWordにデータを渡して連携を図るしかない,
と思っていたのですが,この度,試行錯誤が実を結び,
直接Wordファイルとして書面のデータを出力できるようになりました。
詳細は以下のとおりです。
![]() |
| クリックで拡大 |
まず訴状作成画面の左下にある「訴状ひな形呼び出し」ボタンを
押すと,典型的な訴状の骨子を呼び出す画面が出てきます。
![]() |
| クリックで拡大 |
使いたいひな形の請求の趣旨,請求の原因それぞれについて,
「訴状に貼り付け」というボタンを押すと,
訴状作成画面の請求の趣旨,請求の原因欄に
データが貼り付けられます。
この訴状のひな形データは使えそうなものが新たに生じる都度,
追加していくこともできます。
また訴状の類型ごとに絞り込んで表示することもできます。
このようなひな形を利用することで要件事実の漏れや勘違い
などの初歩的なミスを防ぐことが期待出来ます。
元の訴状作成画面の右上には,訴額を入力する欄があります。
訴額を入力すると,700万円までは印紙代が自動的に入力されます。
ある程度必要な情報が入力できたら,
「訴状レイアウト」というボタンを押します。
そうすると
「作成日付(例えば今日なら「20130715」)+依頼者名+訴状.doc」という名前でデスクトップにファイルが作成され,自動的に開きます。
作成されたWordファイルは,住所,氏名,管轄裁判所等,
データベースに入力済みのデータは自動的に転記されている
状態となっています。
相手方が個人か法人かに応じて,自動的に入力される情報は変化するようになっています。
ひな形から入力した請求の趣旨,請求の原因等ももちろん入力された状態となっています。
もっとも,請求原因のインデント等については,整える必要がありますから,そこから先はWordの方で細かい調整をしていきます。
以上の通り,Wordファイルとして出力できるようになったことで,
より意図したとおりの文書作成に近づきました。
とりあえず現時点で出来ているのは,訴状作成機能と送付書兼受領書作成機能だけですが,他の書面でも原理は同じなので,準備書面や各種申立書等も時間の問題です。
(2014年12月7日追記。その後ファイル名の変更により,上記のひな形からの請求の趣旨及び請求の原因のコピーが機能しなくなっていました。現在再度修正して使えるようになっています。)
2013年5月25日土曜日
弁護士とデータベースソフト
私は弁護士業務を行うに当たって,ファイルメーカーというデータベースソフトを利用しております。
データベースソフトとは,名前や住所などのいろいろなデータを入力しておいて,
それを表の形式で表示したり,必要なものだけ呼び出したりして,様々な形で活用するというようなソフトです。
弁護士も顧客のデータ,事件のデータなどを扱いますから,
データベースソフトを利用することで業務の効率化が図れるのではないかと思ったわけです。
データベースソフトを導入するならば,
特定の環境でないと使えないとかではなく,
なるべく広い範囲の環境で使えるものを作りたいと思っていました。
そうしたおり,
ファイルメーカーのiOS版(のようなもの)が無料になるというニュースを目にして,
「これはいい!」と思いました。
ファイルメーカーはもともとWindows,Macのどちらでも使える製品である上に,
やろうと思えばiPhoneやiPadでもそのデータベースを利用することが出来るというわけです。
これは大変夢のふくらむ話です。
そんなわけで2012年10月にファイルメーカーを購入し,とりあえずシステムを作ってみて同年11月から実戦投入。
実務で使いながら少しずつ修正を加えて現在に至る,という状態です。
ファイルメーカーというソフトのいいところは,
画面のデザインの微調整等もマウスで直接できますので,
直感的な操作でシステムを作ることができるということがあると思います。
その他特別プログラミングのようなことをしなくても,
それなりにきちんと動作するものが出来上がるという点もとてもありがたいです。
システムの設計,修正が容易なので,とりあえずのプロトタイプをつくってみて,
適宜修正を図るというやり方が十分可能です。
どんなメリットがあるのか
1 同じ情報を繰り返し入力するという事態を回避して省力化を実現
一度入力した情報が再度必要という場合は,自動的に入力された状態にできます。
2 情報の一元管理
自分で作成したデータベースには,関係者とのやりとりの記録(いつ,誰と,どんな話をしたのか)や,期日の進行,やるべきこと,預り金の出納帳などなどが全て一元的に含まれているので,多少のことであればわざわざ記録を探して持ってきたり,パソコンの中でファイルを探したりということをする必要がなく,欲しい情報にすぐにアクセスすることが出来ます。
3 定型的な処理の自動化
物事の中には,「これをやったら必ず次にはこれをやる」と決まっているものがあります。
パソコンはこのようなものの自動処理は得意です。
データベースソフトももちろんこのようなことはできますので,手間を減らすことができます。
具体的にどんなことができるのかということについては,
項目を分けてご紹介したいと思います。
2012年1月2日月曜日
最速の日本語入力方式を求めて
新年明けましておめでとうございます。
相変わらずマニアックなことについて書くことになりそうですが,
新年ということですのでお許しいただきたいと思います。
今回は「パソコンにおける日本語入力方式」について
書いてみることにしました。
日本語入力の効率は仕事の効率を左右する
弁護士もご多分にもれず,パソコンを使って文章を
作成するということを日常的に行います。
そして日本語を入力している時間は業務時間の中でも
結構な時間を占めています。
したがって,この入力効率の如何は仕事そのものの効率を
左右しかねません。
そこで,何とか効率よく入力することはできないかといろいろと
試行錯誤をしてきました。
様々な日本語入力方式とその効用
試行したことの中にはタッチタイピングの技術の向上を図るとか,
なるべくホームポジションから手を動かさなくてもいいように
キーカスタマイズをするとかもあるのですが,
それ以上に影響が大きいものとして,
どのような「日本語入力方式」をとるかというものがあります。
ここでいう「日本語入力方式」とは,ローマ字入力とか,
かな入力とかというものです。
(キーボードで「r」,「a」と刻印されているキーを順に押すと,
「ら」と入力されるのがローマ字入力。
一方キーボードに刻印されているひらがながそのまま入力される
というのがかな入力。)
これについては,大多数の方はローマ字入力を使っていると
思います。
(2009年のある調査では,
「ローマ字入力」を使用している人は87.7%,
「かな入力」は12.0%という結果だったらしいです。)
実際に私も昨年前半まではローマ字入力を使っておりました。
しかし,現在はローマ字入力でもかな入力でもない方式で
日本語入力を行っております。
これは,改めて検討してみたところ,
日本語入力方式としてローマ字入力が
最適なものとは思えなかったからです。
(ここでいう「入力効率」とは,主に一文字入力するのに
キーボード上のキーを何回打鍵しなければならないか
ということを念頭に置いています。)
たとえば,ローマ字入力で
あるひらがなを入力しようすれば,
「あいうえお」の母音を除けば
2回以上キーを押さなければなりません。
一方でたとえばかな入力の場合は,
「ら」と入力する場合には,
キーボードの「ら」と書いてあるキーを
一回押しさえすれば入力できるのです。
このようなことから,同じ量の文章を入力する場合でも,
入力方式によってキーを押す回数に違いが出てきます。
もっとも,
かな入力では確かにキーを押す回数は少なくすることができるものの,
その分押さなければならないキーが広範囲に
わたってしまうという問題があります。
具体的には,ローマ字入力の場合,
4段あるキーボードのキーのうち
下3段を使用するだけなのに対して,
かな入力では4段をフルに使用することになります。
(キーボードを見ていただくと,
ひらがなの刻印は最上段の数字のキーにも
されていることが分かります。)
このように使用するキーが多いと,
覚えづらいというイニシャルコストの問題もあるのですが,
指の移動範囲が広く入力しづらいというランニングコストの問題もあります。
親指シフト,中指シフト
打鍵回数は極力少なくしたい。
しかし指の移動範囲は狭くしたい。
この2つの相反する要請を両立する入力方式としては,
特定のキーを入力文字の切り替えのための
「シフトキー」として用いる方式があります。
たとえば,普通に「A」というキーを押すと「あ」と入力されるが,
「K」というキーを押しながら「A」というキーを押すと
「う」と入力されるようにする,という方式です。
この場合,「K」というキーが入力される文字を
切り替える(「シフト」させる)ためのキー,
すなわち「シフトキー」として機能していることになります。
(したがって,ここでの「シフトキー」というのは,
キーボード上の「SHIFT」キーとは違います。)
このようにシフトキーを使った入力方式のうち比較的メジャーなのは,
親指シフト(NICOLA)という方式です。
親指の位置に特殊なキーを配置した専用のキーボードを用いて,
その親指シフトキーと他のキーと同時に打鍵することで
入力する文字の入れ替えを実現するという入力方式です。
勝間和代という方もこの方式を使っていると本に書いています。
この方式の問題点は専用のキーボードを使わないと
その真の実力を発揮できないということです。
スペースキーの左右両隣のキーをシフトキーとして
使用できるようにするソフトを
インストールすることで一応通常のキーボードでも親指シフトの環境を
実現することは可能なのですが,完全とは言えません。
自分もしばらく試してみたのですが,
キーボードが変わるごとに微妙にシフトキーの位置が変わって,
使用感が安定しないのが自分はダメでした。
また専用のキーボードでないからか,
手首を内側にひねるような動きになるようなことが多くて
手の筋が疲れるのもあまり好きではありませんでした。
そこで,キーボードを選ばない
「中指シフト」という方式を選択することにしました。
中指シフトの中でも「月配列」とかいろいろあるのですが,
最終的に落ち着いたのは,「下駄配列」というものです。
これにより,一文字一打鍵で,指の移動も必要以上に大きくなく,
かつ,どのキーボードを使っても使用感に大きな変化のない
環境を実現することができました。
下駄配列の実際
具体的にどうやって下駄配列を始めるかですが,
Macの場合は「KeyRemap4Macbook」という
フリーソフトを入れるだけです。
このソフトは,あるキーを押したときにそれが
どのような機能を果たすかということを
入れ替えたりすることができるようにするソフトで,
その中のひとつの設定として
下駄配列も入っているのです。
このソフトで下駄配列の環境を導入すると,
キーの表面に刻印されている文字は全く意味をなさなくなります。
したがって,最初はキー配列の表をどこかに置いておいて,
どのキーを押したらどの文字が入力されるのかを
体で覚えていくことになります。
このキーの位置を覚える事自体はそれほど困難なことではなく,
3日もあれば位置はだいたい覚えることができてしまいます。
あとはいかにスムースに入力ができるようになるか
ということなのですが,
これは自分の場合結構時間がかかったような気がします。
具体的にはローマ字入力と同程度の入力速度になるまで,
1ヶ月弱くらいかかったような気がします。
ちなみに今でもローマ字入力については
使おうと思えばさほどの問題なく使うことができますので,
必要なときがあれば,ローマ字入力に戻すということも可能です。
両方の入力方式を使ってみての感想としては,
下駄配列の場合,ローマ字入力とは違って
文字を入力する際に一度日本語をローマ字の綴りに
変換する必要もないことから,
文章を書いている際の頭の負担が減っているような気が
しないでもありません。
(こういう使用感は親指シフトについてよく言われることです。)
定量化できないので明確には言いがたいですけれども。
また,下駄配列の方が入力効率がいいですから,
ローマ字入力のときのように指がバタバタとキーボード上を
忙しく動きまわるということがありません。
他人からみると指が高速で動いている方が
速く入力できているように見えるでしょうから,
なんというかパッと見の「エキスパート感」は
出しにくいのですが,
そのあたりは実利をとるということでいかがでしょうか。
今まで使っていた入力方式以外のものを身につけるというのは,
上で述べたようにたしかにそれなりの時間を要するものです。
それでも一度身につけさえすればその後ずっと
効率よく入力をすることができるのですから,
やるだけの価値はあるのではないでしょうか。
なお,最近iPhoneの「Siri」なり,
「ドラゴンディクテーション」なりの
音声認識による文字入力の精度は相当に
高くなってきています。
将来的に音声認識技術の進歩によって,
キーボードによる文字入力の技術の
必要性が低下したとしても,くれぐれも当方に苦情を
お寄せにならないでいただきたいと思います。
その場合,技術の習得に要した時間の大きさについて
一緒になって愚痴を言い合う
程度のことしか致しかねますので予めご了承ください。
2011年12月26日月曜日
弁護士が仕事でMacを使っても大丈夫か
のっけからマニアックな内容で申し訳ないですが,
興味のあることでないと続きませんので,
お許しいただきたいと思います。
私は業務上もwindowsPCではなく,Macを利用しているのですが,
周りから「仕事で使っても大丈夫?困ることってない?」と
聞かれることがわりとあります。
そこで実際に一年間使用してみた経験から,
独断と偏見に基づいて回答したいと思います。
結論としては,
全く大丈夫。使うことによって得られるものは大きい。
ということになります。
以下詳述します。
Macを使うことによって得られるもの
稼働が安定しているとか,起動,終了が速いとか,
pdfの全文検索がやりやすいとかいろいろありますが,
一言で言えば,「快適な使用感」ということになるのではないかと思います
使っていてとても気持ちがいいということです。
今やパソコンというのは業務上なくてはならないもので,
一日の大半の時間をパソコンの前で過ごすわけです。
そのように長時間使用するものであるからこそ,
使用感という要素は重要なのではないでしょうか。
デジタル機器においては,
「スペック」や「機能」というのがわかりやすい売りになるだけに,
いきおいそれらが前面に出されがちです。
しかし,「スペック」や「機能」というのは,
快適さを実現するための1つの手段に過ぎず,
必ずしも決定的なものではありません。
これは携帯電話にやたらと画素数の多いカメラがついていても,
必ずしも快適には使えないということからもお分かりかと思います。
一方使ってみての快適さというのは,
わかりやすく提示できるものではありませんが,
この快適さを目指して全てが調整されていなければ,
せっかくの便利な機能や今までにないスペックというのも
宝の持ち腐れになってしまいます。
そういう意味では,見過ごされがちですが,
もっとも重要な要素と言っても過言ではないと思います。
その点,Macはそのような調整がバランスよく行われています。
先頃亡くなったスティーブ・ジョブズが
「ユーザーの体験からスタートして技術に遡らなければならない。
逆ではいけない。」
という言葉を残しているくらい,Macはユーザー体験を重視しています。
そうでなければ得られない使用感というものをMacは実現しています。
このことは,iPhoneを使ったことのある方であれば
何となくお分かりいただけるのではないかと思います。
Macに移行しても大丈夫な理由
windowsで仕事をしていてできていたことは,
基本的にMacでもできます。
ワードもエクセルもMac版がありますし,
事務所内のwindowsを使っている人たちとの間のファイルのやりとりも
問題なくできます。
周辺機器もwindowsで使っていたものをUSBでMacにつないで使っています。
今やMacの中にもインテルが入ってる訳ですから,
ハード的にもそんなに大きく違わないわけです。
また,インターネット上のサービスについては,
ネットは基本マルチプラットフォームですから,
windowsだろうがMacだろうが同じサービスを利用できます。
そのインターネットの世界を表示する窓であるブラウザにしたって,
chromeもfirefoxもちゃんとMac版があります。
インターネットエクスプローラ?
chromeもfirefoxもちゃんとMac版があります。
一太郎のファイルは基本的にMacOS上では読むことができません。
ただ,裁判所も一太郎からワードに移行するそうですし,
些細な問題ですよね。
骨を断とうとしているときに肉のことを気にしていてはいけません。
OSが違うというのに
全てがそのままだと思う方がどうかしていると言わざるをえません。
この点については,最悪,
今まで持っていたwindowsのパソコンを使えばオールオッケーです。
先代のwindowsPCをLANに接続した状態で置いておけば,
Macからもリモート接続することが出来るわけですし。
物理的な場所が厳しければ,
Macの中に仮想化したwindowsを入れておくこともできます。
(OSは別途準備する必要はありますが)
実際に私もそうやって乗り切っております。
以上述べたように,
仕事でMacを使っても全く問題はありませんので,
弁護士に限らず,是非同志が増えてくれることを願っております。
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