弁護士が取り扱う業務の類型の中に,成年後見事件というものがあります。
これは,ざっくりといえば,判断能力が低下してしまった方のために,身上監護や契約などの法的事務や財産管理等を行うというものです。
他の人の財産を管理することになる関係上,財産管理は当然適正に行うことが求められ,またその管理が適正であることが説明できる状態を維持することが期待されます。
そういうわけで,成年後見人に選任された弁護士は,なるべく現金でのお金の移動のような,お金の動きが見えづらい取引は避け,極力預金通帳にお金の動きが記載されるようにするのが一般です。
このようにすれば,定期的に行う裁判所への報告の際も,通帳上に記載されているお金の動きについて説明すればいいということになります。
この「通帳に記載されているお金の動きの説明」ですが,厳密に行うのはそれなりに大変です。
ネットバンキングが使えれば,集計などの作業も容易に行えるのですが,一般に成年後見人が就いている状態では,銀行はネットバンキングの利用を認めてくれません。
紙の通帳に記載された取引を集計してExcelに移し替える作業を行ったりするのですが,もう少しこのような事務処理の負担を軽減することはできないものかと常々思っていました。
そこで,開発したのが,通帳にOCR処理を施して,データとして扱える状態にするというシステムです。
LegalWinという事件管理を行うシステムの一機能として開発しています(機能の詳細は機能紹介ページを参照)。
今やOCRといえば,「AI OCR」という言葉も聞かれるくらいで,一昔前よりも格段に精度が上がっています。
上記のOCR機能も,ディープラーニング技術を用いたもので,特に日付や金額といった数字の認識については,かなりの精度となっています。
通帳のOCRで困難なのは,各銀行の通帳ごとに体裁が微妙に異なるということなのですが,その点については,各銀行ごとに処理を変えることで対応しています。
このような通帳のOCR技術は,ネットバンキングが広くできるようになるまでの過渡的な技術ではあります。
もっともLegalWinでは,成年後見事件における取引の分類を学習して,一度設定した取引の分類が半自動的に入力されるようになっているので,OCRの必要の有無に関わらず,使っていくほどに入力作業が楽になっていきます。
2020年1月8日水曜日
2017年12月19日火曜日
Ruby on Railsで後見事件の管理
自作の事件管理データベースでの,後見事件の管理についての機能説明です。
後見事件は,報告年度ごとに各種の書類を作成することになりますので,「後見関係」のタブで,作成基準日と報告期間を登録します。
「後見関係」タブでは,さらに「財産目録・収支計算書作成」ボタンを押すと,後見書類の作成ページに移動できます。
上半分が財産目録を入力する部分となっていて,銀行口座等を入力することができます。
登録した銀行口座等には,さらに「取引入力」ページが用意されていて,通帳に記載されている個々の取引を登録することができます。
取引入力画面では,施設費用や年金の受領など,定期的な支出入については,まとめて入力することができるようになっています(「毎月×12」,「隔月×6」ボタン)。
個々の取引を入力するのは多少手間ではありますが,入力さえしておけば,預金残高,年間収支等は自動的に集計され,当初の画面の収支計算書に反映されるようになっています(途中から始めて預金残高を通帳の残高に合わせたいという場合は,収支の分類に「残高調整」というものがありますので,それを使って当初残高を設定すれば実現できます。)。
反映された収支計算書は,財産目録と同様に,Excelファイルで出力することができます。
(なお,画面に表示されている情報はダミーデータです。)
2014年11月22日土曜日
後見報酬申立&事情説明書
後見事件で定期的に行う,報酬付与の申立と,その際に提出する事情説明書の作成機能のリニューアルのお知らせです。
ちょっと前から書式の修正を行っていて,事実上使用はできていましたが,細かい点も含めてひと通り仕上がったので,告知します。
事件詳細の画面の中の「後見関係」のタブの中に,
「報酬付与申立書&事情説明書(横浜家裁)」というのができています。
(2つに分かれていたのをついでに一つに統一しました。
また,今まで始期と終期の自動入力の仕方も変更しました。)
架空のデータで作成の手順を行なってみます。
上の図の赤い丸の中の日付に,作成日を入れて(上の例では平成27年3月6日)
「開く」ボタンを押す。
デフォルトで作成日が期間の報告の終期に入力され,その1年前の日が報告始期に入力されます。
(ぴったり1年ということは少ないでしょうから,適宜微調整します。)
その他必要な箇所に入力します。
入力が終わったら,上の図の赤い矢印で表示されている「Wordで出力」というボタンを押します。
そうすると,必要事項が入力された状態で,Word文書が開かれます。
なお,他のWordファイル,Excelファイル生成機能と同様,ファイルは作成者のPCの「デスクトップ」に保存される設定になっていますので,必要があればその後ファイルを保存したい場所に移動してください。
(その際,必須ではないですが,「名前をつけて保存」を行なって,ファイルの形式を「.doc」ないし「.docx」に変更しておくことをおすすめします。)
一つのファイルで2ページ目が報酬付与申立事情説明書となっています。
付加報酬部分については,FileMaker上で,それぞれの項目のところに金額が入力されていると,Wordファイルの方にチェックマークが入って,金額が入力されるようになっています。
Wordファイルですので,適宜必要があれば微調整をするなどして印刷してください。
2014年5月18日日曜日
後見事務経過一覧表のExcel出力
休日ということでFileMakerの拡充作業を行なっております。
成年後見事件などの事務経過一覧表の作成もFileMaker上で行えるのですが,最終的にExcelファイルの形式で出力できないものかと試行錯誤しておりまして,一応の形として実現しました。
現段階では全自動というわけには行かず,若干の手間が必要にはなりますが,Excelファイルの形式で出力できたほうが微調整がいろいろとしやすいので,選択肢としてはないよりはあったほうがいいかと思いますので,つけてみました。
実際に試行してみて,支障が大きければまた検討します。
従前の後見関係の書類を作成する画面に下記のようなボタンが新しく出来ています。
上に位置する「Excelでひな形出力」というボタンを押すと,下記のように事件の種類に応じて内容部分以外の箇所が入力された状態のExcelファイルがデスクトップに作成されます。
また,下に位置する「Excelで内容出力」というボタンを押すと,FileMaker上で入力していた日付と内容が列挙されたExcelファイルが作成されます。
この日付と内容が列挙されたエクセルファイル上でコピーして,先ほどのひな形の方に貼り付けます。
罫線を修正して,列の高さを自動調整すれば,Excelファイルでの事務経過一覧表の出来上がりです。
この辺りの処理はExcelの方でマクロを使えれば自動化出来るものです。
ただそのような知識はないので,とりあえずの形として実装してみました。
もうちょっと試行錯誤すればいろいろなんとかなる余地がまだある気がします。
管財の書式についてもExcelを使うので,ここでできることが広がるとそちらにも応用できそうです。
2013年6月29日土曜日
成年後見人関係書類の作成補助
成年後見人等の業務を行っていると,
定期的に家庭裁判所に報告をすることになります。
この際提出する書面には,
後見事務経過一覧表,後見事務報告書など
というものがあります。
というものがあります。
このように定期的に作成するもので,
ある程度定型化可能なものというのは,
まさにデータベースが役に立つ場面です。
後見事務経過一覧表というのは,
この間後見人等としてどんなことをやってきたかを
細かく報告する書面です。
これは個々の出来事を記載していくものなので,
報告の時に遡って作成するということになると大変です。
一方で,その都度作成していくにしても,
日常的な覚書と別に経過報告書に別途記載するというのも
手間が多い。
そういうわけで,自作の事件管理データベースでは,
普段の業務メモを記載する中で後見事務経過報告書の記載事項も
作れるようにということを目標としています。
その目標を実現するために,
業務メモの種類の欄に新たに「後見」というものを作りました。
後で後見事務経過一覧表を作成する際に
まとめて呼び出すことが出来るようになっています。
事件詳細の後見関係のタブで,
「事務経過一覧表」のところで作成日を選択入力して,
「作成」のボタンを押します。
そうすると事務経過一覧表作成画面に移動します。
その画面で,報告書の始期と終期を選択入力し
(始期を入力すると,自動的に
終期の欄にはその1年後の日付が入力されるので,
必要であれば変更します。),
「業務メモから抽出」というボタンを押すと,
その画面で,報告書の始期と終期を選択入力し
(始期を入力すると,自動的に
終期の欄にはその1年後の日付が入力されるので,
必要であれば変更します。),
「業務メモから抽出」というボタンを押すと,
業務メモで「後見」と選択されているもののうち,
当該後見事務経過一覧表の報告期間に含まれるメモだけが
後見事務経過報告書の画面に表示されます。
(レコード的には同じものを表示。)
当該後見事務経過一覧表の報告期間に含まれるメモだけが
後見事務経過報告書の画面に表示されます。
(レコード的には同じものを表示。)
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