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2018年2月7日水曜日

MacOS Sierra で下駄配列(Karabiner-Elements)

 個人的に,キーボードで日本語入力をする際には,「ローマ字入力」ではなく,「下駄配列」という入力方式を使っています。
 「ローマ字入力」ではない入力方法で,「かな入力」以外に見かけるものとしては,「親指シフト」というものがありますが,乱暴にいえば,それの中指版みたいなものです。

 そのような特殊な配列をMacで使用するためには,「Karabiner」というキーリマップソフトを使っていたのですが,この「Karabiner」は,MacOS Sierraには対応しなくなってしまいました。

 今更ローマ字入力で入力するのはつらい(できなくはないがだるい)ので,ずっとOSのアップデートを我慢して,Yosemiteのままで使用しておりました。

 いつか後継のソフトが出来上がるだろうとずっとウォッチしていましたが,なかなか出てこない。
 Karabinerの作者のKarabiner-elementsも開発が進んでいたので,今か今かと待ち望んでいましたが,下駄配列が実現できるような状態にまではなかなかなりません。
 もっとも,機能はどんどん追加されていて,修飾キー以外のキーをシフトキーとして使えそうな状態になっていることに気づきました。
 (Aというキーを押しながらBというキーを押したら,Cというキーとして機能させる,みたいなこと)

 同時押しの機能自体はまだ実装されていないので,擬似的ではありますが,現状の機能で下駄配列を実装してみました。

 具体的には,上記の「Aというキーを押しながらBというキーを押したら,Cというキーとして機能させる」という機能を使っています。
 これだけだと,AとBを同時押しした場合,少しでもBが早いと同時打鍵したことにならなくなってしまうので,「Bというキーを押しながらAというキーを押しても,Cというキーとして機能させる」という設定も同時に加えています。
 →その後同時押しの機能が追加されたので,自分で下駄配列の設定ファイルを作ってみました。
(設定ファイルを~/.config/karabiner/assets/complex_modificationsに置いて,設定に反映させます。
 より詳しくは,https://qiita.com/s-show/items/a1fd228b04801477729cのサイトに解説されています。)

 記号シフトは一部(自分が使うもの)しか設定を入れてませんし,拗音シフトも「てゃ」などの自分が使わないもの入れていないので,完全版ではありません。
 それでも一応ある程度想定通りに動くことは動いたので,まあよしとして,OSもアップデートしました。
 (これでようやくAppleWatchで自動ロック解除ができる)
 本記事の一番下に設定ファイルのダウンロードリンクを記載しておきますので,興味のある方は試してみてください。

 使ってみて思うことは,シフトキーにあたるキーを打つ時(単打で「し」や「い」を打つ時)については,キーを離したときに単独打鍵という判定になるので,ロールオーバーする打ち方をすると,入力されないというのが難点です。
 ダララっと流れるように打つと,他のキーと同時打鍵と判定されてしまって,意図したキーが押されたことにならないというのが若干困ります。

 設定例は参考までにアップしておきますので,誰かいい方法があったら教えて下さい(30年2月9日更新)。
 →その後同時押しの設定が加わったので,ファイル及びリンクを修正(30年4月13日)

https://yahoo.jp/box/cc0PMy

2015年2月15日日曜日

Windowsタブレット導入記

 8インチのWindowsタブレットを購入してしまいました,というお話です。


どうして購入したのか

もともとモバイル環境に満足していなかったからです。

 私は,仕事の外出時には必ずメモ取り用にパソコンを持参する習慣があります。
 それまではMacBook Airを使用していました。
 このパソコンには大いに満足していますが,
常に持ち運んで利用するには,自分の基準からすれば重い。
 自分の設定するモバイルマシンの基準は,
定性的にいえば「使わないかもしれなくても持っていく気になる重さ。
 定量的には1キロ以下。
 MacBook Airは約1.3キロですから,その基準からすれば,重いのです。
 他に荷物がなければまだ大きな問題にはなりませんが,常にそうとは限りませんから,やはり重いのです。

なぜWindowsタブレットか

求める機能としては,快適にメモ取りができること,です。
 日常的な外出時には基本的にはそれができれば十分です。

 本格的な出張などで,ある程度がっつり仕事もしたいみたいなときは,重さを覚悟してMacBook Proを持っていけば足ります。

 重さだけを考えれば,800グラム台のメーカー製ノートパソコンもあるにはあります。
 しかし,そうなると価格が20万円を超える程度までいってしまいます。
 日常的に持ち運ぶ用途だと,故障や盗難も考慮に入れる必要があるわけですし,そこまで高価なものは対象から外れます。

 すでに所有しているiPadやiPad miniにキーボードをつなぐというのではダメなのか。一番普通の発想はこれになりますし,大抵の人はこれで事足りると思います。
 しかし,個人的にはダメです。
 iOSデバイスでは,日本語入力環境が貧弱過ぎなんです。

 私の場合,ローマ字入力ではない「下駄配列」という特殊なものが使えるということが必須です。
 iOSデバイスでは,下駄配列なんていうマイナーな入力方式が使えるという話などおよそ聞いたことがありません。
 さすがに自分用にこのためにアプリを作るだけの時間はないですし。

 ついでにいえば,いわゆるEmacsキーバインドというものが使えることも必須です。
 Emacsキーバインドというのは,CTRLキーと他のキーを同時に押すことで矢印キーの代わりの動作をするなど,なるべくホームポジションから指を動かさずに済むように考えられたキーの組み合わせ,です。
 文章編集中にカーソルを前後左右,文頭,文末に移動させる必要があったりするわけですが,そのときもわざわざ手を離して矢印キーまで動かさなくても,ホームポジションのままさささっと動かすことができるのです。
 例えば,CTRLキーとPで前の行,CTRLキーとNで次の行,CTRLキーとBで一文字前,CTRLキーとFで一文字後,CTRLキーとAで文頭,CTRLキーとEで文末に移動などです。
 エンターキーもCTRLキーとJで入力します。
 慣れるまでちょっと違和感がありますが,慣れるともうそれなしではいられないくらい快適です。
 
 こういった細かなカスタマイズを実現しようと思うと,iOSデバイスではダメです。
 またAndroidはある程度自由度がありますが,それでも下駄配列は調べた限りダメです。

 その他ポメラみたいな文章作成専用のガジェットも,これらのタブレット以上にカスタマイズが出来ないので,ダメなわけです。
 

Windowsタブレット選び

そうなると,パソコンの汎用性を持っているWindowsタブレットしかない。
 Windowsタブレットなら,タブレットと言いながら,そこで動いているのはれっきとしたWindowsなわけで,上記のようなカスタマイズも自由自在。
 ついでながら,タブレットとしても利用できるわけですから,電車の中など読書をするのにも使うことができるという特典も付いています。

 Windowsタブレットの中では何がいいか。
 一番ノートパソコンに近いものだと,SurfaceProになります。
 悪くないんですが,重いのと高いのとで,却下。
 
 10インチタブレット。
 重い,高い。

 必然的に8インチタブレットに。
 その中での条件としては,解像度がレティナディスプレイに近いもので,なるべくストレージ(記憶容量)が大きい物。
 iPhoneやiPadAirに慣れてしまった結果,粗いディスプレイには耐えられなくなってしまったので,解像度は高めのものにしたいです。
 ストレージの点は,タブレット的にも使うなら,自炊した文庫本や新書を入れられるように,ある程度の容量を持っていてほしい。

 そうした観点で見ていくと,解像度が1920×1200の製品がそもそもあまりなくて,NECのlavie tabかレノボのthinkpad。
 前者は容量が64G。
 後者には128Gのものもあったものの,軽量ノートパソコンが買えるくらいの価格になってしまうので,lavie tab w 708にすることに。
 重さは370グラム。
 Bluetoothでつなげるキーボードもついでに買って,そちらの重さは350グラム。
 (マウスを別に用意するのは嫌だったので,ポインタ付きのthinkpadのヤツにしました。)
 合計しても720グラム程度で,価格は超軽量ノートパソコンの4分の1程度です。
 

使用感

初めてのWindowsタブレットですが,全体的には今のところわりと満足しています。

 特徴としては,良くも悪くも「パソコン」である,というものです。
  iPadはもちろん,Androidタブレットと比較しても,その「パソコン」感は半端ないです。
  電源切ろうとしたら,「アップデートをしています。15%」みたいに表示されるとか,普段使っているデスクトップのWindowsと何ら変わりません。

 iPadも実はコンピュータなわけですから,裏では無骨な動作を当然しているわけですが,ユーザーには基本的に全く見せないですよね。
 アップデートにしたって,白黒のリンゴの画面で横棒が伸びていくだけ。
 ジョブズがプレゼンにおいて「魔法のようなデバイス」と形容したiPadでは,「タブレットの魔法」はどこまでもかかっているわけです。

 一方Windowsタブレットは,舞台裏が丸見え。
 中の人が着ぐるみ脱いで休憩してる姿が見えるレベル。
 
 ただまあそれは目的とするところが違うからなわけで,逆によくここまで普通のパソコンに,タッチ操作のガワを着せたなと感心します。
 特長である「パソコン」であることは維持しつつ,一方で,モダンUIという形で「タブレットの魔法」を再現してみせる。
 そこにはエレガントさとか洗練された感じとかは全くないわけですが,力技でこれだけのことをやってのけるマイクロソフトの底力を久々に感じた気がします。
 
 とはいいながら,あまり詳しくない人への一般的なおすすめとしては,タブレットを買うならiPadかメジャーなAndroidタブレットがいいと思います。
 ノートパソコン的なことをしたいのであれば,ノートパソコンを買うのがいいと思います。

 Windowsタブレットのタブレット的な側面としては,Windowsストアアプリ(iOSデバイスにおけるAppStoreに相当するもの)を利用するのですが,品揃えは半端無く悪いです。
 Evernoteみたいなメジャーなアプリであっても機能が中途半端なものしかまだないくらいです。
 ある用途のアプリを探そうとしても,選択肢はあまりありません。




2012年1月2日月曜日

最速の日本語入力方式を求めて

新年明けましておめでとうございます。

相変わらずマニアックなことについて書くことになりそうですが,
新年ということですのでお許しいただきたいと思います。

今回は「パソコンにおける日本語入力方式」について
書いてみることにしました。


日本語入力の効率は仕事の効率を左右する


弁護士もご多分にもれず,パソコンを使って文章を
作成するということを日常的に行います。
そして日本語を入力している時間は業務時間の中でも
結構な時間を占めています。
したがって,この入力効率の如何は仕事そのものの効率を
左右しかねません。

そこで,何とか効率よく入力することはできないかといろいろと
試行錯誤をしてきました。


様々な日本語入力方式とその効用


試行したことの中にはタッチタイピングの技術の向上を図るとか,
なるべくホームポジションから手を動かさなくてもいいように
キーカスタマイズをするとかもあるのですが,
それ以上に影響が大きいものとして,
どのような「日本語入力方式」をとるかというものがあります。

ここでいう「日本語入力方式」とは,ローマ字入力とか,
かな入力とかというものです。
(キーボードで「r」,「a」と刻印されているキーを順に押すと,
「ら」と入力されるのがローマ字入力。
一方キーボードに刻印されているひらがながそのまま入力される
というのがかな入力。)

これについては,大多数の方はローマ字入力を使っていると
思います。
(2009年のある調査では,
「ローマ字入力」を使用している人は87.7%,
「かな入力」は12.0%という結果だったらしいです。)

実際に私も昨年前半まではローマ字入力を使っておりました。
しかし,現在はローマ字入力でもかな入力でもない方式
日本語入力を行っております。

これは,改めて検討してみたところ,
日本語入力方式としてローマ字入力が
最適なものとは思えなかったからです。
(ここでいう「入力効率」とは,主に一文字入力するのに
キーボード上のキーを何回打鍵しなければならないか
ということを念頭に置いています。)

たとえば,ローマ字入力で
あるひらがなを入力しようすれば,
「あいうえお」の母音を除けば
2回以上キーを押さなければなりません。

一方でたとえばかな入力の場合は,
「ら」と入力する場合には,
キーボードの「ら」と書いてあるキーを
一回押しさえすれば入力できるのです。

このようなことから,同じ量の文章を入力する場合でも,
入力方式によってキーを押す回数に違いが出てきます。

もっとも,
かな入力では確かにキーを押す回数は少なくすることができるものの,
その分押さなければならないキーが広範囲に
わたってしまうという問題があります。

具体的には,ローマ字入力の場合,
4段あるキーボードのキーのうち
下3段を使用するだけなのに対して,
かな入力では4段をフルに使用することになります。
(キーボードを見ていただくと,
ひらがなの刻印は最上段の数字のキーにも
されていることが分かります。)

このように使用するキーが多いと,
覚えづらいというイニシャルコストの問題もあるのですが,
指の移動範囲が広く入力しづらいというランニングコストの問題もあります。


親指シフト,中指シフト


打鍵回数は極力少なくしたい。
しかし指の移動範囲は狭くしたい。

この2つの相反する要請を両立する入力方式としては,
特定のキーを入力文字の切り替えのための
「シフトキー」として用いる方式があります。
たとえば,普通に「A」というキーを押すと「あ」と入力されるが,
「K」というキーを押しながら「A」というキーを押すと
「う」と入力されるようにする,という方式です。
この場合,「K」というキーが入力される文字を
切り替える(「シフト」させる)ためのキー,
すなわち「シフトキー」として機能していることになります。
(したがって,ここでの「シフトキー」というのは,
キーボード上の「SHIFT」キーとは違います。)

このようにシフトキーを使った入力方式のうち比較的メジャーなのは,
親指シフト(NICOLA)という方式です。
親指の位置に特殊なキーを配置した専用のキーボードを用いて,
その親指シフトキーと他のキーと同時に打鍵することで
入力する文字の入れ替えを実現するという入力方式です。
勝間和代という方もこの方式を使っていると本に書いています。

この方式の問題点は専用のキーボードを使わないと
その真の実力を発揮できないということです。
スペースキーの左右両隣のキーをシフトキーとして
使用できるようにするソフトを
インストールすることで一応通常のキーボードでも親指シフトの環境を
実現することは可能なのですが,完全とは言えません。
自分もしばらく試してみたのですが,
キーボードが変わるごとに微妙にシフトキーの位置が変わって,
使用感が安定しないのが自分はダメでした。
また専用のキーボードでないからか,
手首を内側にひねるような動きになるようなことが多くて
手の筋が疲れるのもあまり好きではありませんでした。

そこで,キーボードを選ばない
「中指シフト」という方式を選択することにしました。
中指シフトの中でも「月配列」とかいろいろあるのですが,
最終的に落ち着いたのは,「下駄配列」というものです。

これにより,一文字一打鍵で,指の移動も必要以上に大きくなく,
かつ,どのキーボードを使っても使用感に大きな変化のない
環境を実現することができました。


下駄配列の実際


具体的にどうやって下駄配列を始めるかですが,
Macの場合は「KeyRemap4Macbook」という
フリーソフトを入れるだけです。
このソフトは,あるキーを押したときにそれが
どのような機能を果たすかということを
入れ替えたりすることができるようにするソフトで,
その中のひとつの設定として
下駄配列も入っているのです。

このソフトで下駄配列の環境を導入すると,
キーの表面に刻印されている文字は全く意味をなさなくなります。
したがって,最初はキー配列の表をどこかに置いておいて,
どのキーを押したらどの文字が入力されるのかを
体で覚えていくことになります。

このキーの位置を覚える事自体はそれほど困難なことではなく,
3日もあれば位置はだいたい覚えることができてしまいます。
あとはいかにスムースに入力ができるようになるか
ということなのですが,
これは自分の場合結構時間がかかったような気がします。
具体的にはローマ字入力と同程度の入力速度になるまで,
1ヶ月弱くらいかかったような気がします。

ちなみに今でもローマ字入力については
使おうと思えばさほどの問題なく使うことができますので,
必要なときがあれば,ローマ字入力に戻すということも可能です。

両方の入力方式を使ってみての感想としては,
下駄配列の場合,ローマ字入力とは違って
文字を入力する際に一度日本語をローマ字の綴りに
変換する必要もないことから,
文章を書いている際の頭の負担が減っているような気が
しないでもありません。
(こういう使用感は親指シフトについてよく言われることです。)
定量化できないので明確には言いがたいですけれども。

また,下駄配列の方が入力効率がいいですから,
ローマ字入力のときのように指がバタバタとキーボード上を
忙しく動きまわるということがありません。
他人からみると指が高速で動いている方が
速く入力できているように見えるでしょうから,
なんというかパッと見の「エキスパート感」は
出しにくいのですが,
そのあたりは実利をとるということでいかがでしょうか。

今まで使っていた入力方式以外のものを身につけるというのは,
上で述べたようにたしかにそれなりの時間を要するものです。
それでも一度身につけさえすればその後ずっと
効率よく入力をすることができるのですから,
やるだけの価値はあるのではないでしょうか。


なお,最近iPhoneの「Siri」なり,
「ドラゴンディクテーション」なりの
音声認識による文字入力の精度は相当に
高くなってきています。
将来的に音声認識技術の進歩によって,
キーボードによる文字入力の技術の
必要性が低下したとしても,くれぐれも当方に苦情を
お寄せにならないでいただきたいと思います。
その場合,技術の習得に要した時間の大きさについて
   一緒になって愚痴を言い合う
程度のことしか致しかねますので予めご了承ください。